RENOVATION GUIDE

改修で最も重要なのは、「今付いているもの」と「現在の建物条件」を正確に把握することです。

既存ガラスの寸法だけを測って交換品を決めると、防煙区画・下地・設備・施工時間の制約で手戻りが起こりやすくなります。現地調査と図面確認をセットで進めます。

現地調査既存不適格軽量化営業中改修

01 / WHY RENOVATE

改修のきっかけは「破損」だけではない

防煙垂れ壁の改修理由には、ガラスのひび・欠け・破損、耐震対策、店舗リニューアル、天井改修、設備更新、区画変更などがあります。特に古い施設では、竣工当時から用途やレイアウトが変わり、防煙区画と現在の空間計画が合わなくなっていることもあります。

見た目に異常がなくても、頭上の重量物を軽量化したい、営業中の安全性を高めたいという目的でガラスから不燃シート製へ交換するケースも考えられます。

02 / REGULATION

既存建築物では「現行基準に全部合わせる」とも「昔のままでよい」とも限らない

既存建築物には、建築当時は適法だったものの、その後の法改正で現行基準と異なる「既存不適格」が存在します。増築・改築・用途変更・大規模修繕等の内容によって、現行規定への適合範囲や緩和措置が変わります。

国土交通省は2026年に「既存建築物の緩和措置に関する解説集」を公表し、排煙設備についても増改築規模等に応じた扱いを整理しています。防煙垂れ壁の交換だけであっても、防煙区画の位置や材料、固定荷重を変更する場合は、設計者・確認検査機関等への確認が必要になることがあります。

POINT

「同じ位置で同じ寸法だから問題ない」と自己判断せず、改修範囲と法的扱いを先に整理すると手戻りを防げます。

03 / SITE SURVEY

現地調査では寸法だけでなく、天井裏・端部・搬入条件まで確認

01

既存寸法

高さ・長さ・区画ライン・床からの位置。

02

支持下地

天井・壁・梁の構造と固定方法。

03

設備干渉

照明、空調、サイン、スプリンクラー。

04

端部条件

柱際、壁際、隙間、既存ケース。

05

搬入経路

エレベーター、搬入口、養生範囲。

06

施工時間

夜間・休館日・騒音制限・復旧時間。

04 / REPLACEMENT

ガラスから不燃シートへ交換すると、頭上重量と破片飛散リスクを抑えやすい

既存ガラス製防煙垂れ壁を不燃シート製へ交換する目的の一つが軽量化です。パラスモークでは、テンションタイプでガラス製と比較して約1/30、パネルタイプで約1/10の重量を目安としており、既存天井への負担や施工時の取り扱いを抑えやすくなります。

また、不燃シートはガラスのように割れて破片が飛散しません。地震対策や人が多く集まる施設の安全性向上を目的とした改修で検討しやすい材料です。

TENSION TYPE

直線・長尺

視線を遮りにくいフレームレス感を重視する売り場やロビーに。既存条件に合わせた端部納まりを検討します。

PANEL TYPE

段差・変形

既存天井にクランクや段差がある場合、現場調整しやすいパネルタイプが有効です。

05 / WORK PLAN

営業中施設では「施工時間」より「翌朝までに元へ戻せるか」が重要

商業施設、ホテル、オフィスなどの改修では、夜間数時間で撤去・取付・清掃まで終える必要があることがあります。工事エリアの養生、ガラス撤去時の安全対策、搬出経路、廃材置場、騒音・粉じん、警備との連携を事前に決めます。

軽量部材は搬入・取付の負担を抑えやすく、短時間施工に有利なケースがあります。ただし、下地補修や設備移設が必要になると工期は伸びるため、現場調査段階で施工手順まで想定しておくことが重要です。

06 / EXISTING SHAPE

既存建物特有の「少しずつ違う寸法」への対応力が改修では効く

長年使用された建物では、図面上は直線でも実測すると壁がわずかに振れていたり、天井高さが場所によって異なったりすることがあります。リニューアルで照明やサインが追加され、当初とは異なる干渉が生じていることも珍しくありません。

パネルタイプは現場で寸法調整やシート張りの微調整ができ、段差・クランク・変形などにも対応しやすい構造です。テンションタイプでも端部スリットや連結など、現場条件に応じた納まりを検討できます。

07 / COMPLETION

施工後は「見た目」だけでなく、防煙区画として連続しているか確認

施工完了後は、所定の高さ・位置に納まっているか、端部や連結部に想定外の隙間がないか、シートの張り、フレームの固定、設備とのクリアランスを確認します。既存設備を移設した場合は、排煙口や照明等との取り合いも再確認します。

改修前後の写真・図面を保管し、将来の保全担当者が仕様を追えるようにしておくと、次回点検や交換がスムーズです。

08 / FAQ

防煙垂れ壁の改修でよくある質問

Q. 営業を止めずに交換できますか?

夜間や休館日で対応できるケースがありますが、施工範囲、既存ガラスの撤去、下地補修の有無で変わります。現地調査後に工程を組む必要があります。

Q. 既存ガラスの枠をそのまま使えますか?

製品方式や既存枠の構造によります。既存支持部の状態も含めて確認し、適切な納まりを設計します。

Q. 図面が残っていなくても相談できますか?

現地調査で寸法・下地・設備条件を確認して検討できます。古い建物ほど実測が重要です。

Q. 改修すると現行法への適合が必要ですか?

工事内容と建物の法的状態によって異なります。設計者、所管行政庁、指定確認検査機関等に確認してください。

REFERENCE

参考資料

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